2018/12/21
大阪からきた「よそ者」が佐用で奮闘 [地域おこし協力隊/南光ひまわり館館長 平福祐介]
3年前地域おこし協力隊として大阪からきた平福祐介さん。現在は農業振興支援員として佐用町役場農林振興課に籍を置くかたわら、南光ひまわり館館長も務められています。今回は地域おこし協力隊に応募した経緯から現在の活動内容について聞いてみました。
田舎への憧れが強くなり佐用への移住を決意
―地域おこし協力隊へ応募した理由を教えてください。
妻の実家が兵庫県の香美町、何度もそこへ行くうちに田舎への憧れが段々と強くなりました。またその際に仕事先で地域おこし協力隊のことを知り、インターネットで調べていくうちに興味が湧き、応募にいたりました。
―佐用町を選んだ理由を教えてください。
理由のひとつとしては、アクセスの良さです。僕の実家が大阪、妻の実家が香美町にあり、佐用町はどちらの実家からも行きやすいこと。また、応募前に実際に佐用町を訪れ、合同会社佐用鹿青年部に町を案内してもらい、良いところだと思ったのも決め手のひとつです。
前職経験を協力隊活動に活かす
―前職は何をされていましたか。
不動産関連で3年、事務機器メーカーで1年、営業の仕事をしていました。いわゆる飛び込み営業でした。
―前職経験のなかで協力隊活動に活かされていると思う点はありますか。
ネットワークづくりですね。営業の仕事では、数え切れないぐらいたくさんの会社を訪問し、その先々で人脈を作り、販売活動を行ってきました。その経験はよそ者の自分をまず知ってもらい、一緒に仕事を進めていくという協力隊活動の上で、すごく役に立っていると思います。
南光ひまわり館館長としての仕事
―南光ひまわり館館長としての仕事はどのようなことに取り組まれていますか。
ひまわり館では、主に経営管理と渉外を担当しています。現在取り組んでいることとしては、ひまわり米の販売、ひまわりの茎や葉の肥料化、ひまわりオイルの用途拡大です。
―南光ひまわり館館長としての目標はありますか。
目標としては、ひまわりの種の買取価格を上げることです。最近は買取価格を維持することが難しくなってきているために、オイルの用途・販路拡大を図り、ひまわり館の売上を伸ばし、その利益を生産農家さんに還元していけたらいいな、と思っています。
佐用で働いてみての本音
―地域おこし協力隊の任期ももうすぐ終わりに近づいていますが、今までの隊員生活を振り返ってどうですか。
良い経験になったと思います。佐用は人と人との距離がすごく近いと感じます。自分が結婚しているのもあってか、色んな人に気にかけてもらったり、誘ってもらったりもしました。
―では逆に、ここはちょっとしんどいな、と思うところはありますか。
「人と人との距離がすごく近い」というのは、良いことでもあるし、やりにくいと感じる時もあります。あとは、「失敗へのハードル」がもう少し低ければいいな、と思っています。失敗を恐れることが、新しいことへの挑戦意欲を削いでいると感じます。でも、失敗を重ねないと、成功へは辿り着けません。なので、失敗に対して寛容な空気感になればな、と思います。
平福祐介
大阪市淀川区出身。不動産関連や事務機器メーカーで営業を経験し、16年5月に地域おこし協力隊員として佐用町に着任。農業振興支援員として佐用町役場農林振興課に籍を置くかたわら、南光ひまわり館館長も務める。