出会いがほしい!そうだ、「えん結び支援員」に相談しよう!

突然ですが、「えん結び支援員」という仕事をご存知ですか?

佐用町には、男女の縁を結ぶ活動をしている「えん結び支援員」(以下「支援員」)がいます。

今回は、支援員の仕事と佐用町の婚活事情について、佐用町役場 企画防災課 まちづくり企画室 で支援員として活躍中の、山本昌美さんと熊橋華菜子さんの2人に話を伺いました。

えん結び支援員の山本さん(写真左)と熊橋さん(右)

 

婚活を自治体が手厚くサポート

 

––– まずは佐用町の婚活支援事業について教えて下さい。

はい。私たちは、5つの取り組みをしています。

ミーツ!会員を随時募集中

 

1つ目は「Meets!(以下、「ミーツ!」)」です。登録していただくと、プロフィールや条件をもとにマッチングする無料の会員制サービスです。町内在住または在住を希望する20歳以上の独身男女を対象としています。1対1でのお見合いのセッティングはもちろん、婚活イベントにもお誘いしています。会員数は男性48人、女性19人(2021年1月現在)で、町外の方も入会可能です。

2020年秋のイベントのようす

 

2つ目は、町主催の婚活イベントで、例年は年に3、4回開催しています。今年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で、秋に1回だけ姫路市内のホテルで開催しました。民間でも婚活イベントそのものが少なくなっていたので、男女各12人定員のところ100人以上の参加希望があり、イベントの成果としても8組のカップル成立がありました。反響の大きいイベントになりましたね。

3つ目は「さよう★出会ってもらい隊」です。こちらは、主にミーツ!やイベントのPRを行っているボランティアの皆さんの呼び名です。現在、22人の隊員さんが、それぞれの地域で独身の人へPR活動を行っています。今は60代以上の隊員さんが多いんですが、今後はミーツ!やイベントを通じて成婚されたかたにも、婚活の先輩としてご協力いただきたいなと考えているところです。

4つ目は「さよう☆えん結び応援団」です。会社やグループなどの団体に登録いただき、社内や地域で婚活事業のPRに協力していただく制度で、現在は7つの企業や団体に登録していただいています。

5つ目は、私たち「えん結び支援員」です。支援員の設置は2016年4月にスタートしました。佐用町役場内に籍を置き、婚活についての相談や、ミーツ!、婚活イベントの企画運営などを行っています。

 

––– 幅広く事業を行っておられるんですね!ところで支援員さんにはどんなふうに相談に乗っていただけるんでしょうか?

はい。まずは、相談日を月曜日 9:00~19:00、木・金曜日 9:00~15:00に設けています。月曜日は仕事帰りのかたにもお越しいただけるような時間にしています。

その中で、例えば婚活イベントの前には、私たち支援員が相手役になってロールプレイング形式で話題の振り方を練習したりしています。連絡先を交換したかたには、その後のやり取りのフォローもしています。メッセージのやり取りが不慣れなかたには内容もアドバイスしていて、例えば相手の気持ちに立ってメッセージを送るように伝えるなどしていますね。

イベントだけでなく、ミーツ!の会員登録に関する相談にも乗っています。ご本人だけでなく、親御さんからの相談も伺っています。

 

––– 手厚い相談サービスですね!どれくらいの相談がありますか?

2020年度はコロナの影響もあり、4月からは50件(2021年1月15日現在)でしたが、2019年度は102件でした。

 

佐用町ならではの、婚活事情

 

––– 佐用町ならではの婚活事情というのはありますか?

狭い町なので、例えば親同士が知り合いだったりすると、住所や職業、家族などの情報が、意図せずして相手に知られてしまうリスクがあります。特にお住まいが近いとこういうリスクが高くなるので、地区も考慮して紹介するようにしています。また、プロフィールの公開/非公開を会員さんで選べるようにしています。

都会の婚活サービスと比べると、お互いの条件だけでなく、紹介方法にも細かく配慮する必要があります。

 

––– なるほど、思いがけず家族が知り合いだったケース、よくわかります…。ところで、相談業務をされる中で、最近の婚活希望者の特徴をどんなふうに感じていますか?

ひと昔前は、職場や同級生同士、知人の紹介を通じてなど、身近なつながりの中での結婚が多かったと思います。

今、20代から30代の方からお話を聞くと、コミュニティで人を区別する傾向があるように感じます。例えば、職場で出会った人はあくまでも職場の仲間として、サークルで出会った人はあくまでもサークルの仲間としてカテゴライズしているといった具合です。コミュニティ内の人と付き合うと、差し支えがあると感じるようですね。また、合コンや友だちの紹介だと、紹介してくれた人の顔を立てる必要がありますし、事前にどんな人が来るかわからない点もデメリットとしてとらえているようですね。

そんな中で、マッチングアプリを活用する人が増えています。他人に気を遣う必要がないし、写真と条件でどんな相手か確認できるので、気軽に使われていますね。

 

––– 以前と価値観が変化しているんですね。ちなみに、婚活イベントで人気があるのはどんな人ですか?

「どんな人とでも楽しい雰囲気を作れて、聞き上手な人」ですね。人に対してダメなところを見つける「減点方式」ではなく、いいところを見つける「加点方式」で考えるのが大事だと思います。

 

––– 婚活を成功させる秘訣はありますか。

婚活は「素直な人」がうまくいくと思います。例えば、服装を変えたほうがいいんじゃないって指摘されたとしたら、ほかの人の意見やノウハウを勉強し、取り入れて、自分のスタイルを変えられる人です。

誰しも自分の足りないところを受け入れて、かつ変えていくということは難しいことです。まして年を重ねると、自分を変えることに抵抗が出てくる人が多いと思います。でも、そのことを受容して乗り越えられる人はとても誠実だと感じますし、結婚が近い印象ですね。実際、ミーツ!の会員さんにも、何度も相談に来られて自己改善に取り組み、成婚に結びついた人もいます。

成婚された参加者からのコメント

 

 

「お母さん」のように、支える

 

––– 支援員の仕事でやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?

何と言っても会員さんの結婚報告を受けた時ですね。幸せオーラいっぱいで報告してくださる人もいて、すごくうれしいです。

会員さんに対しては、親心みたいな気持ちで接しているので、ときどき会員さんに真剣に怒ってしまうこともありますけど(笑)。でもそもそも婚活サービスに申し込むのは勇気がいることだと思うんです。だからこそそれを乗り越えて登録していただいた会員さんには、絶対に幸せになってほしいなって思っています。

 

––– まるでお母さんみたいですね!それにしても、ここまで手厚く町が婚活事業に取り組まれている事例は近隣でもあまりないと思います。そのような中で、行政主導の取り組みならではの課題はありますか?

役場の中に事務所があるので、婚活希望者が気軽に立ち寄りにくいと思われているかもしれません。また、会員登録の条件である、将来佐用町在住を希望することが、町外の人にとっては入会のハードルになることもあるようです。

移住することになったとき、町外からの人が気軽に情報交換ができる場があればハードルも少しは下がるのではと感じています。実際に町外から佐用町へ移住してきた人の話が聞けると安心ですよね。

 

––– たしかに、それはうれしいですね。今後やってみたいイベントはありますか?

アイデアの1つとしては、ボードゲームを使った婚活イベントを考えています。新型コロナウィルスの流行が収まってからにはなりますが、仕事帰りに佐用町内の人が気軽に集まって、まずは知り合いになるところから始まるようなイベントがいいなと。フリートークが苦手な人もいると思うので、ゲームを通じてリラックスした雰囲気で知り合ってもらえたら、という狙いです。

将来的には若者が気軽に集まれる場所があって、そこに支援員が出向いて、出会いのお手伝いができることが理想です。

 

 

–––

結婚希望者の傾向や佐用町ならではの婚活事情と真摯に向き合い、まるでお母さんのような存在の「えん結び支援員」。

山本さんと熊橋さんのあたたかさに満ちた婚活支援がさらに広まり、幸せなカップルが町内にたくさん増えたらいいな、と感じるインタビューでした。

佐用町役場西館1階にあるえん結び支援員手作りの掲示物。ひまわりとハートの可愛らしいデザインが目をひく

 

 

婚活のアドバイスも掲示されています。要チェック!

 

 

 

 

お問い合わせ先

佐用町役場 企画防災課 まちづくり企画室   えん結び支援員

TEL  0790-82-0664

『出会いの場「ミーツ!」会員募集中!』(佐用町役場ホームページへリンク)

https://www.town.sayo.lg.jp/cms-sypher/www/info/detail.jsp?id=3105

 

※緊急事態宣言発令を受け、マスク着用にてインタビューを行いました。

 

 

インタビュアー:タニグチヨシミ

カメラ:ヤマモトトモコ